ビルボード誌の歴史
■歴史
1894年11月1日に『ビルボード・アドバタイジング』(Billboard Advertising)という誌名で創刊。創設者はWilliam H.Donaldson とJames H. Hennegan、オハイオ州Cincinnatiで産声をあげた。1897年に『ビルボード』に改称。創刊当初は、サーカスや移動遊園地などを取り上げていたが、次第に音楽を取り扱う記事数が増え、1960年代からサーカスや移動遊園地を別の雑誌で扱うことにし、音楽に一本化した。誌名はその頃の名残であり、巡業の日付を貼り付ける掲示板から付けられたものである。
1936年1月4日、ビルボードは初めて全米のジュークボックスで流れたヒット曲の一覧を発表し、1940年7月27日号に初めて独自の統計から割り出した、ヒット曲のチャートを掲載した。1958年8月4日以後、シングルの販売とラジオ局でのリクエストなどを元にホット100(HOT 100)という100曲の最も流行している音楽チャートを掲載している。また2005年2月12日からホット100とは別にシングルの販売、パソコンへのダウンロード、アメリカのトップ40ラジオ局のリクエストなどを元にしたポップ100(Pop 100)というチャートも掲載されるようになった。
また、1970年からAmerican Top 40というビルボード誌提供の音楽番組が毎週全米で放送され続けてきた。もっとも長くDJを勤めたのは1970年から1988年8月と中断をはさんで1998年から2004年までこの番組にかかわったケイシー・ケイサム(Casey Kasem)である。1988年8月から1994年2月まではシャドー・スティーヴンズ(Shadoe Stevens)が、2004年からケイサムに代わってはライアン・シークレスト(Ryan Seacrest)が勤めている。この番組はアメリカ国内だけにとどまらず英語圏各国や日本など世界中でも放送され、番組の隆盛とともにビルボードはアメリカのチャートの代名詞として世界を席巻することになる。
ただし、現在放送中のAmerican Top 40は名目上、ビルボードのチャートを使用していない。詳細は下記(#集計方法の変更に伴うチャートへの影響)参照。
日本では2007年夏に上陸し、展開予定。
■現在のビルボード誌
ビルボードは音楽だけでなく、DVDやビデオ、さらにはインターネット配信まで幅広く取材し、ニュースやオピニオン記事を掲載している。内容は専門的な記事が多く、レコード会社の社員やクラブDJを対象にしたものであり、一般の音楽誌にあるような話題には乏しい。一部の書店で取り扱っているが、一般の書店で見ることはめったに無い。日本の「コンフィデンス」誌が同種。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ビルボードチャートの集計について
■チャート
ビルボードのチャートといえば、それぞれ最新の100曲と200曲を取り扱う「HOT100」(主にシングル)と「Billboard200」(主にアルバム)が広く知られているが、ジャンルごとのチャートも取り扱っている。カントリーミュージック、ブルーグラス、ジャズ、クラシック、R&B、ヒップホップ、電子音楽、ラテン音楽、宗教音楽、さらに着メロまでチャートとして掲載されている。チャートの長さは一定ではなく、トップ10からトップ75まで様々である。
ニールセンサウンドスキャンやブロードキャストデータシステム(BDS)、それに各ラジオ局の放送リスト、さらに店舗からの売り上げ記録などを総合して、順位を決定している。各チャートごとに選任の担当者がおり、最終的な判断は全て担当者が下している。過去にはマドンナのシングル、『Into the Groove』が12インチシングルCDであったため、ホット100の担当者がチャートへの掲載を見送り、R&Bのチャートにのみ掲載されたことがあった。
年間チャート「Year in Music(イヤー・イン・ミュージック)」は、集計対象年の前年12月第1週から対象年の11月最終週までを集計したものとされているが、週間チャートと比較して異常なまでに年間チャートの順位が高く(あるいは低く)ランクインされている楽曲も存在する。しかし、ビルボードが年間チャートの集計方法を一切公表していない為原因は不明である。
■集計方法
現在、ビルボード総合チャートはダウンロードセールス&セールス33%、エアプレイ67%の比率で集計されている(2005年以降)。そのため、セールスチャートと総合チャートは異なるものであるが、オリコンやUKオフィシャルチャートなどの影響からかよくこの二つが混合して用いられることがあるため注意が必要である。
【集計方法の変更に伴うチャートへの影響】
長い歴史の中で、チャート集計方法は何度か変更されているが、特に1991年末にそれまでのエアプレイ最優先からセールスにも重心をおくようにした(エアプレイ6:売り上げ4)大改変以降、HOT100チャートにおいて急激にヒップホップやR&Bなど主にブラックミュージック系が上位に躍り出るようになった。これはアルバム志向が強い白人層に対し黒人はシングル志向が強く、シングルセールスチャートの上位はブラックミュージックが占めていたことによる。
これ以後、HOT100と「キャッシュボックス」など他のチャートとのランキングやノミネート曲が大きく剥離するようになる。シングルの発売枚数が極端に少なかったロック系が上位(特に1位)を獲得することは極めて難しいものとなり、一方でシングル盤を発売し続けていたヒップホップやR&Bなどブラックミュージック系の曲が数ヶ月にわたって1位を取り続けることが恒常化していった。この改変以前は10週連続1位を獲得することは稀で、1970年代のデビー・ブーン(「恋するデビー」)や80年代のオリヴィア・ニュートンジョン(「フィジカル」)など数える程度でしかなかったのが、1992年以降はホイットニー・ヒューストンの「I Will Always Love You」が14週間1位になったのを皮切りに、90年代半ばにボーイズⅡメンの4曲がそれぞれ14~16週間1位を獲得、他にもパフ・ダディやブランディ&モニカなどブラック勢を中心に10週を越えて1位に滞在する曲が続出した。また、ブラック以外でもロス・デル・リオの「恋のマカレナ」が14週1位、エルトン・ジョンの「Candle In The Wind 1997」も14週間1位を獲得している。
さすがに、このように何週にもわたって1位が長期間不動で、しかも明らかにブラックミュージック偏重になってしまったHOT100チャートに対し、ブラックミュージックに興味のない白人層を中心にHOT100離れが進むことになる。そもそも、アメリカではレコードやCDの売り上げよりもラジオでのエアプレイ回数がランク付けの指標となっている面もあり、ラジオで流れている曲がHOT100のチャートに反映されなくなったことで、HOT100チャート、さらにはビルボード全体の信用が失墜するのは最初から目に見えていたともいえる。
ビルボードの知名度を世界的なものに押し上げた人気ラジオ番組「American Top 40」もこのような流れの中で、HOT100をチャートソースから外してしまったが、その後は迷走を続け1995年にいったん番組が打ち切られてしまう。逆にメインストリームラジオ局でのエアプレイを中心に集計しているラジオ&レコーズのチャートが新たな指標として躍り出ることになり、1998年に復活した「American Top 40」もビルボードではなく、ラジオ&レコーズのCHR/Pop Chartをチャートソースに使うようになってしまった。これに慌てたビルボードは1998年12月に、売り上げとエアプレイの比率を1:3(25:75)に再変更した。
この再変更ではR&Bやカントリーなど各ジャンルからのチャートを集計した総合チャートとしての色彩を強め、これまで認めてこなかったエアプレイのみでの発表曲もチャートインさせることにした。しかし、例えばヒップホップの曲はメインストリーム局だけでなくR&Bやダンス、デジタル、ポップスなどの各チャートにそれぞれ公平にカウントされるため合計ポイント数が自ずと高くなるのに対し、カントリーはカントリーチャートでしかポイントは稼げないし、ロックも同様にロック系チャートやポップス系チャートでしか集計されないため、ジャンルによって強弱が目立つ不平等集計となり、加えて集計対象としたラジオ局もR&Bやダンス、アダルト・コンテンポラリー専門局に偏っていたため、結局その後もヒップホップ系やR&B系の曲ばかりが上位に上がり、長期間1位に滞在し続けるという偏った「総合チャート」が毎週発表され続けることになる。また、アメリカン・アイドルで注目された新人がシングル盤を出すと突発的に1位になるものの、すぐに順位が低落してしまうというこれまでではあまり見かけなかったチャート上の欠陥も目立つようになった。
2005年2月になってダウンロードセールス&セールスの比率があがり、売り上げとエアプレイの比率を1:2(33:67)に変更した。ダウンロードはCDやレコードに比べるとクリック1つで気軽に購入でき、売れ筋の曲がすぐにチャートに反映されるため、様々なジャンルが比較的公平にチャートを賑わすようになり、1位滞在期間も2006年以降はかなり短くなってきている。しかし、現在の集計方法においてもブラックミュージック系が強いことには変わりがなく、集計方法に対する試行錯誤は当分続くことになると思われる。
(ちなみに2000年代以降、アメリカではシングルCDの市場が殆ど無くなり、シングル化はエアプレイ解禁やミュージックビデオの作成などの意味合いが強い。これに変わってダウンロード数が順位を確定するうえで多大な影響を受けるようになっている。)
〔出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』〕
ビルボード(Billboard)とは
ビルボード(Billboard)は米国の週刊音楽業界誌である。CD売り上げ、ラジオのオンエア回数などを集計したチャート「HOT100」などポピュラー音楽のヒットチャートで知られ、そのチャートはポピュラー音楽産業に大きな影響を与えている。
日本では、音楽評論家、湯川れい子の紹介などで知られるようになった。
オランダの複合企業、VNU傘下。
2006年現在では、「ラジオ&レコーズ」(1973年創刊)と共に米国の2大ランキングチャートとして知られる。かつては、「キャッシュボックス」(1942年創刊・1996年廃刊)、「レコード・ワールド」(1964年創刊・1982年廃刊)を含めて4大ランキングチャートであった。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
年間TOP10アルバム一覧